エイジングケアは『長寿遺伝子』から!
長寿遺伝子は、誰でも持っている遺伝子で、あなたにも当然あります。しかし、この長寿遺伝子、普段は働いていません。“どうやったら長寿遺伝子が働くのか?”がエイジングケアのカギを握ることになります。
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老化のメカニズム
齢を重ねるて疲れやすくなったり、肌に張りが無くなったりするのは、ミトコンドリアの減少や弱体化によるものです。
細胞のひとつひとつに核があり、核の周りに凄い数のミトコンドリアがいます。
ミトコンドリアにブドウ糖が入るとインスリンに変化して、エネルギーAPPに変わります。
ミトコンドリアがエネルギーに変えている。
簡単に説明すると、ミトコンドリアがブドウ糖を私たちの身体に必要なエネルギーに変えているのです。
すなわち、ミトコンドリアは細胞内のエネルギー工場です。
発電所やエンジンと表現する人もいます。
このミトコンドリアが齢と供に減少したり弱体化すると、疲れやすくなったり、体力が続かなくなったりするのです。
さらに、ミトコンドリアが弱ってくると“活性酸素”を多量に排出します。
活性酸素が細胞を破壊する。
活性酸素は、触れるもの全てを破壊する凶暴な酸素で、活性酸素に鉄釘を入れると一瞬で錆びることは、“酸化”による老化の加速でも述べた通りです。
シミ、シワ、白髪なども活性酸素が皮膚の細胞を破壊することが原因で、私たちは、細胞が錆びることで老化していくのです。
これが老化のメカニズムで、活性酸素が脳の細胞を破壊すると、認知症や物忘れの原因にもなります。
やがて免疫細胞が暴走して、自分の身体を攻撃します。
免疫細胞が暴走する。
免疫細胞は、病原菌と闘う細胞で、私たちの身体を病原菌から守っている正義の細胞です。
この免疫細胞は、齢をとると敵味方の区別がつかなくなり、自分の身体を攻撃してしまうのです。
特に攻撃を受けやすいのが血管で、血管の内部に入り込んで動脈硬化を起こす原因にもなります。
老化を防止する“サーチュイン遺伝子”
サーチュイン遺伝子(Sirtuin)は、誰もが持っている遺伝子ですが通常はOFFしていて働いていません。
このサーチュイン遺伝子がONすると、免疫細胞がおとなしくなるのです。
血管の中でONすると免疫細胞を引きつける物質を制御し、免疫細胞が離れて行くようになります。
このサーチュイン遺伝子こそが長寿遺伝子で、サーチュイン遺伝子がONすることができれば、老化を抑制できると言うことです。
カロリー制限するとサーチュイン遺伝子がONになる!
ウィスコンシン大学(ウィスコンシン州マディソン)のリチャード・ウェインドルック博士の率いるチームが、サルの実験でサーチュイン遺伝子をONする方法を解明しました。
なんと、30%のカロリー制限をするとサーチュイン遺伝子がONするのです。
実験では、片方のグループのサルに通常の量の食事、もう片方のグループのサルには30%カロリー制限した食事を与えました。
カロリー制限したサルは70歳になっても、毛艶が良く、シワのないお肌で若々しい状態でした。
脳が老化すると神経細胞が無くなり隙間ができ、脳の隙間が多くなると、物忘れや認知症の原因になります。
サーチュイン遺伝子がONしたサルは外見だけでなく、この脳の隙間まで無くなったのです。
実験が22年経過した時に、普通のサルは50%死亡したのに対して、カロリー制限したサルは80%が生存していました。
サーチュイン遺伝子がONすると活性酸素を消す物質が作られ、ミトコンドリアが増加したのです。
さらに、傷ついた他の遺伝子も修復することが解りました。
その他に100種類の老化防止を可能にすると考えられています。
では、ダイエットしたら若返るのでしょうか?
30%のカロリー制限は、危険と隣り合わせ!
30%のカロリー制限でサーチュイン遺伝子がONした理由は、細胞が飢餓状態になって身の危険を感じたことによる防衛本能だったんです。
サーチュイン遺伝子をONさせたのは、サーチュイン遺伝子から作られた酵素で、1度スイッチを押すと働かなくなります。
サーチュイン遺伝子をONさせ続けるには、永遠に飢餓状態にしなければならないのです。
元々食の細い人は、栄養不足になって逆効果で死亡する恐れがあります。
結局、カロリー制限とは栄養不足を意味するのです。
レスベラトロールでサーチュイン遺伝子がONする!
レスベラトロールとは、赤ぶどうの皮などにごく微量に含まれる物質です。
メアリーウッド大学の動物実験で、筋肉内のミトコンドリアが2倍になり、持久力も2倍になったのです。
レスベラトロールは、サーチュイン酵素を復活させる働きがあり、サーチュイン遺伝子がOFFになった人でもON状態と同じ効果が得られました。
この研究結果によってアメリカでは、100種類以上のレスベラトロールサプリが年間30億円を売り上げたそうです。
ただし、レスベラトロールは赤ぶどうの皮からごく微量に含まれる成分で、製品化しても有効性分が少なかったり、成分が変色してしまいサプリとしての効果は期待できないそうです。
レスベラトロールの効果は、1日に赤ワイン100本分必要なのですから…
カロリー制限やレスベラトロール意外の方法でエイジングケアする!
既に幾つかの製薬会社は、レスベラトロールと同じ働きをする製品開発に力を注いでいます。
ミトコンドリアが増加することで老化防止が可能なことも解ってきました。
エイジング研究の第一人者であるウィスコンシン大学のトーマス・A・プロラ教授の話によると「40種類以上の有効な食品成分を評価したが、ザクロや冬虫夏草など幾つかの成分を組み合わせることで効果が高まることが解ってきた。」
やはり、カロリーコントロールと科学的エビデンスを基につくられた栄養補助食品をプラスすることが最も効果的なエイジングケアと言えるでしょう。
絶対に必要なことは、ミトコンドリアを増やすことと、老化を加速させる“酸化”と“糖化”の原因を排除することが最適なのです。