レスベラトロールのサプリは本当に効果があるのか!?
レスベラトロールは、正しい成分で適量を永続的に摂取するとエイジングケアに効果があると思います。しかし、赤ブドウに含まれるレスベラトロール含有量はごく微量です。なのに何故、レスベラトロール含有のサプリメントや美容液が数多く存在するのでしょう?
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レスベラトロールはポリフェノールの一種
「レスベラトロールとは、赤ブドウなどの皮などにごく微量に含まれる物質」のことです。
参照:エイジングのカギを握る“長寿遺伝子”
もうちょっと詳しく言うと、レスベラトロール(resveratrol)は、ポリフェノールの一種で、幾つかの植物で病原に抵抗する働きを持つ抗酸化物質のことです。
1939年、北海道帝国大学の高岡道夫により有毒植物バイケイソウ(Veratrum album)から発見された有毒成分ではない、レゾルシノール(Resorcinol)構造を有することから命名されたそうです。
植物は、外敵から襲われても動いて逃げることができません。
その為に害虫や紫外線、病原菌などによるストレスを受けると、抗菌性の物質を合成して外敵から身を守るそうです。
その外敵から身を守る為の物質であるポリフェノールの一種がレスベラトロールと言う訳です。
ちなみに、この合成された抗菌性の二次代謝産物は「ファイトアレキシン(phytoalexin)」と総称されます。
ファイトアレキシンは、広範囲の病原に対して有効で、侵入してきた病原の細胞壁に穴をあけ、成熟を遅らせ、代謝や増殖を阻害するといった機能を持っています。
凄いですね!
長寿遺伝子以外にも働く?レスベラトロールの効果
レスベラトロールによって、飢餓状態と同じサーチュイン遺伝子をONすることができることは既に全世界が周知しています。
メアリーウッド大学の研究でも、筋肉内のミトコンドリアが2倍、持久力も2倍になりました。
それ以外の研究でも以下のような報告があります。
高血圧の被験者が血管拡張反応を改善し、動脈硬化を防ぐことや、脳の血流を増加させることで認知症を予防する可能性がある。
健常者がレスベラトロール1日2.5gを28日間摂取した結果、血中の増殖因子やタンパク質の減少が認められ、乳癌や肺癌のリスクを低減する可能性がある。
健常者にレスベラトロールを250mgまたは500mg摂取後、45分以降に前頭葉の血流の高進が認められ、脳機能の改善に役立つと報告されている。
ヨーロッパ各国の中でフランス人は喫煙率も高く、高乳脂肪色を多く取るにもかかわらず心臓血管病の発生率が低いことが赤ワインの消費量の多さに関わっている。この現象を「フレンチパラドックス(フランスの逆説)」と読んでいる。
ヨーロッパの研究チームが肥満男性11人と健康な男性11人を対象に、レスベラトロール1日150mgのサプリメントとプラセボ(偽薬)を用いて二重盲検比較試験を実施したところ、レスベラトロールを30日間服用した後に、エネルギー消費、代謝率、血糖値、血圧は低下し、肝臓に蓄積した脂肪は減少していた。
他にも多くの研究結果が報告されていますが、サーチュイン活性化物質の開発を推進するSirtris社はレスベラトロールには効果がないとして臨床開発を断念していますので必ずしも良い結果ばかりとは言い切れません。
さて、この有名な報告を基に少し整理してみましょう。
- 公表されている摂取量は、1日に150mg〜2500mg(2.5g)
- 30日間、毎日飲み続けた結果
つまり、飢餓状態以外の方法でサーチュイン遺伝子をONさせるには、1日最低150mgのレスベラトロールを毎日飲み続ける必要があると言うことです。
考えてみて下さい、研究で使用するレスベラトロールはもちろん純度が高く、摂取量も完璧でしょう。
研究で使用したレスベラトロールがそのままサプリメントとして売り出されたのなら効果は絶大です。
1日に150mg以上の上質なレスベラトロールが配合された間違いのないサプリメントがあるならば、少々高くても即買いする人は多いでしょう。
では、1日に必要なレスベラトロールを食品に置換えるとどうなるでしょう?
食べ物からレスベラトロールを摂取できる?
実は、赤ブドウの果皮以外に落花生、イタドリ、メリンジョ(インドネシアの植物)などの食べ物にもレスベラトロールが含まれます。
ただし、どの食物でも含量は少なく、必要量を摂取する為には大量に飲食する必要があります。
各食品のレスベラとロール含有量は以下の通りです。
赤ブドウ | 100g | 0.15mg〜0.78mg |
赤ワイン | 1本(700ml) | 0.15mg〜4.35mg |
落花生 | 100g(殻ごと) | 0.18mg〜0.71mg |
イタドリ | 不明 | 不明 |
メリンジョ | (ポリフェノールを含む) | 0.1%〜1.0% |
これを1日に必要な最低摂取量150mgに置換えてみましょう。
赤ブドウ = 1日 19㎏〜1t
皮まで食べて下さい。(ブドウ農園の方でも無理でしょう…)
赤ワイン = 34本〜1,000本
当たり外れがあります。最低1日100本飲みましょう!
落花生 = 21kg〜83kg
必ず、殻ごと茹でて下さい。鼻血ブー!
イタドリ = 大量に食べたら下痢…
食べるなキケンw
メリンジョ = 0.15g以上〜15g以上
えっ?それだけでいいの!?
「あれ?メリンジョって凄いじゃん!」て思った方は残念賞を差し上げます。
メリンジョは、ポリフェノールを含む含有量しか発表されていません。(怪しいですね…)
しかも、メリンジョのレスベラトロールは「レスベラトロール二量体」と呼ばれ、赤ブドウのレスベラトロールと性質が異なります。
レスベラトロール二量体を培養細胞にふりかけても長寿遺伝子がONすることはなかった。と発表されています。
ただし、メリンジョのレスベラトロールも抗酸化力はありますので、抗がん、心臓疾患、動脈硬化防止作用、アルツハイマー病、成人病予防の効果があるのではないかと研究は勧められていますので悪いものではありません。
でも、サーチュイン遺伝子をONさせる働きはありませんので、エイジングケアとしては除外ですね。
イタドリは、データもなく多く食べると下痢になることから食べて摂取することはキケンすぎます。
海外で主に使用されているレスベラトロールは、安価なイタドリから抽出されていますが、日本ではイタドリ抽出物が医薬品区分に含まれるため、イタドリから抽出したレスベラトロールが含有されたサプリは違法ですのでサプリでもダメ!
結果、食べ物でサーチュイン遺伝子をONさせる量のレスベラトロールを摂取することは不可能と言うことです。
では、やっぱりサプリメントですか?
レスベラトロール含有のサプリの現状
赤ブドウから抽出されたレスベラトロールが1日に必要な150mg配合されているのならば絶対に即買いです!
でもよく考えてみて下さい。
仮に、赤ブドウのレスベラトロールを150mg以上含有するサプリメントがあるならばお値段はいくらになるのでしょう?
原料に使える赤ブドウの畑はどれくらいあれば良いのでしょう?
以前、サプリメントの成分表示違反の報道がありましたが、その後改善された健康食品会社はどれくらいあるのでしょう?
アメリカでは年間30億以上売り上げているほとんどの製品が粗悪品だと言う話です。
レスベラトロールが悪いと言っている訳ではありませんので勘違いなさらないで下さい。
レスベラトロールでブームに乗って悪用する人たちが悪いのです。
世界最先端の研究機関では、既にレスベラトロールと同じ働きをする安価で安全なサプリメントも製品化されています。
どうか、世の中のブームに惑わされない様に!