“酸化”による老化の加速
実は、私たちの細胞組織も酸化して老化する!
活性酸素の増加が老化を早める!?
“酸化”とは、過剰な活性酸素によって細胞組織が錆付いてしまうことです。
鉄が錆びるのと同じ原理で、私たちの細胞組織も酸化します。
例えば、皮をむいたリンゴをそのまま放置すると変色するのは、リンゴの細胞が酸化したからなのです。
私たちの身体は、生命維持に必要なエネルギーを得るため、ミトコンドリアで絶えず酸素を消費しています。
その酸素の一部が代謝過程において、活性酸素に変換されることがあります。
活性酸素は、大気中に含まれる酸素分子より反応性の高い化合物に変化したものの総称で、中でも通称スーパーオキシド(スーパーオキシドアニオンラジカル)が細胞組織の老化に関与しています。
活性酸素をわかりやすく説明すると、新品の鉄釘を活性酸素の中に入れると一瞬で錆びるほど高濃度の酸素と理解して下さい。
バナナを入れると一瞬で真っ黒になります。
このように、活性酸素は非常に高い反応性を持っているのです。
この活性酸素が必要以上に増加すると、細胞組織を酸化させます。
細胞の酸化は、抗酸化力と活性酸素のバランスが問題!
私たちの体内には、本来持っている“抗酸化力”と呼ばれる活性酸素除去システムがあります。
ミトコンドリアが酸素を活性酸素に変換しても、抗酸化力によって速やかに処理されます。
しかし、抗酸化力より活性酸素の酸化力が上回ると、タンパク質や脂質などが酸化されて細胞を損傷させ老化を加速させます。
最近の研究では、外部から入り込んできた異物(微生物)を白血球が分解するときに、活性酸素が働いていることがわかってきました。
活性酸素が老化に関与していないとの研究結果が発表されたこともありますが、抗酸化力より活性酸素の酸化力が上回ると、細胞を損傷させることに違いはありません。
また、紫外線や放射線などが細胞に照射されると細胞内に活性酸素が発生し、癌治療として放射線治療などが有名ですが、癌のない人の細胞内に活性酸素が発生するとどうなるのでしょう?
血管内皮細胞でも情報伝達物質として働いていると言う研究報告もあります。
「活性酸素がまったく必要のない悪い物質」と言うわけではありませんが、抗酸化力より活性酸素が増加してバランスがとれなければ意味がありません。
私たちは紫外線やストレスだけでも活性酸素が増加するのです。
夏場でなくても昼間外出するだけで紫外線は浴びます。
たとえ曇りの日でも紫外線を浴びて活性酸素が増加するのです。
職場だけではなく、通勤途中の満員電車や車の渋滞でもストレスで活性酸素が増加するのです。
紫外線やストレス以外にも多くの活性酸素が増加する環境で生活しているのですから、活性酸素が増加してしまうのは当然なのです。
つまり、活性酸素を増やさないエイジングケアと抗酸化力を高めるエイジングケアが必要と言うことです。
抗酸化物質で活性酸素は除去できる!?
抗酸化物質には、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、ビタミンA、グルタチオン、ポリフェノールなどがあり、酵素には、スーパーオキシドディスムターゼ、カタラーゼなどがあります。
各種ビタミンによって抗酸化作用による酸化ストレスを制御できる、と言われていましたが、正常なブタに抗酸化ビタミンを投与すると、動脈壁における酸化ストレスを高め、心筋血流、内皮機能を損なうと言う研究報告があります。
また、喫煙者がベータカロチンを過剰摂取すると、癌や心血管死のリスクを増す可能性が指摘されています。
抗酸化物質であっても単独で過剰に摂取すると逆効果になることがあると言うことです。
特にビタミン類は、単独で吸収されず、他の栄養素と一緒に摂取することで身体に必要な栄養素となります。
例えば、ビタミンCは1日レモン5個分程度必要とされていますが、レモン5個分のビタミンCだけを摂取すると、レモン5個分のおしっこになるだけです。
骨粗鬆症の方がカルシウムだけ摂取すると、結石ができるだけなのと変わりはないです。
貧血症の方が鉄分だけ摂取すると、黒い○んこが出るだけなのと変わりはないです。
抗酸化物質を単独で摂取したり、過剰に摂取することは危険です。
最良のエイジングケアは、食物をバランス良く摂取すること!
私たちの身体は、非常に良く出来ています。
食物をバランスよく摂取することで、本来持っている身体機能である免疫力や修復機能が正常に働くのです。
厚生労働省のホームページに「食事バランスガイド」が掲載されています。
例えば、この「食事バランスガイド」に従って、食事バランスチェエクシートでチェックしながら食物を摂取すればいいのです。
正に理想的な食生活なのでしょう。
エイジングケアの為に好きな物は我慢して、バランス良く栄養素を摂取して下さい。
そして、毎日チェックして、食べ過ぎたら減らして下さい…
本当にそれで良いのでしょうか?
例えば、1950年のホウレン草100gあたりのビタミンC保有量は150㎎でした。
厚生労働省の健康情報サイトによると最近のホウレン草は43㎎だそうです。
本来ホウレン草は、季節野菜ですので最高が12月の84㎎、最低が9月での17㎎とばらつきはありますが、昔は1束食べると十分だった栄養素が、今では3束食べても足りないと言うことになります。
特にミネラルは皆無と聞きますので、食べる楽しみはあってもエイジングケアとしての栄養素は不十分ではないでしょうか?
ホウレン草の栄養価が減った理由は
●科学肥料や化学農薬の使用で、土中のミネラル吸収を助ける微生物が減少した!
●ハウス栽培や水耕栽培などの生産効率をあげる不自然な栽培で、本来作り出すはずのビタミンが生成できなかった!
●価格値崩れ防止のために倉庫などで一時保管することで、酸化が進み栄養素が減少した!
などが考えられます。
他の食品は大丈夫でしょうか?
この状況で必要な栄養素を摂取するには、何をどれだけ食べれば良いのか素人が判断できるものではありません。
仮に判断できたとしても、ものすごい量を食べなければいけません。
もちろん、ビタミンの量に見合うだけのタンパク質を食べなければなりません。
さらに、「好きな物を食べる」ではなく「必要な物を食べる」です。
しかも「何を食べたかチェックしながら」なのでストレスで益々活性酸素が増加しそうです。